稲葉江(いなばごう)の由来と来歴 東京心覚 刀ミュ

ミュージカル刀剣乱舞「東京心覚」で刀剣男士が話していた「稲さん」こと稲葉江についてサクッと解説。

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もくじ

打刀 稲葉江(いなばごう)

出典:柏原美術館(岩国美術館)
名物 稲葉江
金象嵌銘
天正十三十二月日江本阿彌磨上之花押
所持稲葉勘右衛門尉
指定国宝
種類打刀
時代南北朝時代
刀工越中(富山県)・江義弘/郷義弘
寸法全長89.4 cm
刃長70.9 cm
反り2.0 cm
所蔵柏原美術館(岩国美術館)

稲葉江は江義弘の最高傑作と言われる一振りです。

2019年に「稲葉江展」が開催されています。



刀にまつわる通名。作者や所有者の名前が付けられることもある。
由来や形状、逸話などのエピソードに関連してつけられる場合も。

通常、由来+刀工名で呼ばれることが多い。
いわば愛称のようなもの。



茎の部分に彫られた文字。作者や所持者、製作期間が入れられている。
ブランドやメーカーのようなもの。

江義弘/郷義弘による在銘の刀は皆無

正宗十哲の一人であり、相州正宗、粟田口吉光と共に名物三作と言われるほどの刀工でありながら銘が入ってないそうです。

江義弘と判明しているのは、本阿弥家が極めたものか伝承以外にはありません。

金象嵌銘(きんぞうがんめい)とは

無銘の刀に金象嵌(彫刻したものに金を埋め込む技法)で刀工名を入れることです。

稲葉江(いなばごう) 名前の由来

稲葉江という名前は、西美濃三人衆の一人である稲葉良通の子・重通が所持していたことに由来します。

稲葉重道は織田信長や豊臣秀吉に仕えた武将で、馬廻りを務めました。

武芸に秀でた有能な武将だったようです。

九州平定や小田原征伐などにも参加、豊臣秀吉の晩年には御伽衆(話し相手)になりました。

元は太刀だったものを本阿弥光徳によって磨り上げられ、打刀に仕立て直されました。

この時、金象嵌を入れられています。

先ほど掲載したこの画像が分かりやすいです。

出典:柏原美術館(岩国美術館)

天正十三十二月日江本阿彌磨上之花押

所持稲葉勘右衛門尉

磨り上げた日付と、磨り上げた人の名前、所持者の名前が入っています。

「稲葉勘右衛門尉」は稲葉重道、もしくは重道の五男・道通の2つの説があります。

馬廻り

大将の馬の周りに付き添って警護や伝令をする役目。

武将の中でも超エリートと言ったところでしょうか。

西美濃三人衆(にしみのさんにんしゅう)とは

戦国時代に美濃(岐阜県)・斎藤氏の家臣だった3人(稲葉良通、安藤守就、氏家直元)のことを指します。

織田信長に仕えて以降、こう呼ばれるようになったとか。

本阿弥光徳(ほんあみこうとく)ってだれ?

刀剣の鑑定や研磨を行う本阿弥宗家の第9代目。

稲葉江(いなばごう)の来歴

稲葉重道所持。
1585年本阿弥光徳が磨り上げ、金象嵌を入れる。
徳川家康が500貫にて召し上げる。
1600年徳川家康が結城秀康に託す。
松平家(結城家→松平家に復姓)に伝来。
1933年重要美術品に認定。
1936年旧国宝に指定。
1945年中島氏所持。
1951年国宝に指定。
2015年元所有者が死亡。所在不明に。
2016年当時の所有者が文化庁に届け出。所在判明。
個人蔵。
2019年柏原氏が購入し、自身が館長を務める岩国美術館(現 柏原美術館)に寄贈。

徳川家康が召し上げた500貫は、現在の価値にすると1500万~7500万円!

ちょっと幅があるのは時代によって価値が違うからだと思いますが、どちらにしても刀1本でこの価格!

当時から、その価値は一目置かれていたのでしょうね。

その後、家康は稲葉江を自身の次男である結城秀康(結城家の養子であった)に託すことになります。

それは関ヶ原の戦いの時でした。

結城秀康に稲葉江を渡し「上杉家を押さえるために宇都宮に残って欲しい」と、家康は我が子にお願いします。

結城秀康はこの命を忠実に守り、徳川家の勝利に貢献します。

この功績により結城秀康は松平家として名乗ることを許され、稲葉江は松平家に伝来していくのです。

秀康の孫・光長の代には、大村加卜(刀工・外科医)の著書「剣刀秘宝」に押型が収録。

その記録には、本阿弥光温が「日本に一つ二つの道具」であると称賛された話も記載されています。

また、本阿弥家編纂「享保名物帳」(刀剣目録帳)にも記載あり。

その後、1945年個人蔵や所在不明を経て、美術館所蔵になりました。

うさこ

所在が分かると安心するね

「享保名物帳」って何?

徳川8代将軍・吉宗の命により、刀剣鑑定家の本阿弥家が押型を取り作成した、刀剣リスト。

原本はなく、写本・転写本のみが現存。

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