2018年3月、この映画が情報公開されたとき、とても嬉しかったのを覚えています。
一番最初のツイートですが、この画像は当時まだなかったです。
ゲームを原作としてアニメ2本、舞台2本にさらに映画まで来たか!と大興奮でした。
しかもキャストさんが舞台中心の方ですよ、これは興奮しないわけがないでしょう。
審神者が求めているのはこうでしょと言わんばかりの布陣に平身低頭ですよ。
でも喜びまくったあとに冷静になったら、ちゃんとした映画になるの?という不安もあったりしました。
世間的にはニッチな分野でしょ、2.5次元ものは。
だからすごくちゃちくなるんじゃないかって思ったこともありました。
C級というか世間的に言う学芸会のような感じといいますか(ごめん)
審神者の期待と不安をよそに1か月ほどの撮影が終了し、三日月のかっこいいビジュアルが公開され、秋になるころには予告やら雑誌の発売ラッシュになっていたなあ。
ムビチケを買いに走り、PVを眺めてにやけ、試写会でのキャストの正装にどんどんテンションが上がっていきます。
そしていよいよ映画公開。
蓋を開けてみたらあまりの出来の素晴らしさに映画館通いしました。
とにかくネタバレは避けたいと思って公開してすぐに見に行きました。
まわりには審神者どころかオタク仲間もいないので、息子と行き、妹と行き、旦那には3回ぐらい付き合ってもらったかな。
ひとりでも何回か行きました。
2週目でも田舎の映画がほぼ埋まっていてびっくりしたのを覚えています。
ロングラン公開にもなり、公開劇場も増え嬉しい限りですね。
4DXも行って刀剣男士の匂いをしっかり堪能してきました(桜のいい匂いでした)
「映画刀剣乱舞」大ヒットの理由を考察する
たぶん2.5になじみのないゲーム審神者さんが映画なら安いしどこでも見られるし、ということで見てくださったのが大きいのではないかなと思います。
もちろん俳優ファンや舞台好きな方、特撮好きな方などなどたくさんの人が見てくれてヒットにつながったのでしょう。
私のようにリピした人も多いはず。
そんなわけでヒットの理由について3つ考えてみました。
- ミステリー要素のあるしっかりした脚本
- ビジュアルの良さとキャストの演技
- ベテランキャストが脇を固めている
ミステリー要素のあるしっかりした脚本
脚本は小林靖子さん。
特撮では有名な方との噂を聞いて、周りの期待がすごかったので安心していました。
こういうオタクものでマイナーな分野って脚本がだめで、ラストはよく分からず終わったとか、視聴者に丸投げとか多いじゃないですか。
一般の映画でもキャストはいいのにストーリーがダメとかよく聞きますよね。
なので脚本は大事だなと常々思っていたのですが、刀剣乱舞の世界観を壊すことなくミステリー(謎解き)要素もきちんと話の流れに持ってきていて、完璧だなと思いました。
歴史ものでありながら誰にでも分かる本能寺の変を舞台に、物語のキーポイントは刀剣男士、さらに歴史上の人物との絡みもありと盛りだくさん。
if歴史ファンタジーと刀剣男士と歴史上の人物がうまく融合されています。
102分という短めの時間でぎゅっとそれらの要素が盛り込まれていて、途中だれることなくきれいにすっきり終わるのは素晴らしいの一言です。
三日月と薬研の「安土城」で真相が明かされるシーンは、貼った伏線を一気に回収する一種のカタルシスを感じることもできます。
まんばといっしょに「歴史はひとつも変わっていない」って言いたくなりませんか?
もう一度最初から見直して、意味深なセリフと行動を確認したくなること請け合いです。
そして、問題はこれだけじゃなかったんだぜと言わんばかりの本丸の危機。
たたみかけるような話の流れにぐいぐい引き込まれました。
刀剣男士が全体的にフラットな雰囲気で、また新しい本丸を見たって思わせてくれる喜び。
脚本家によってこうも違うんだなと興味深かったです。
ビジュアルの良さとキャストの演技
衣装もウイッグも再現性が高く、しかしより自然に近い映像用のもので、すごくきれいでした。
キャストの本来のビジュアルの良さはさることながら、映画でもその美しさを存分に発揮してくれていて審神者として嬉しいです。
耶雲監督には刀剣男士を美しく撮っていただき感謝しかありません。
画面で見る刀剣男士の美しさにまず感動したのを覚えています。
髪や衣装が風になびき、自然の中に立っている刀剣男士を見られたのも映画ならではですね。
三日月の絹の狩衣や長谷部のベルベット素材の衣装など、まだ新しい見解があるんだなあと感心しました。
演技については問題ないと安心していましたが、さらに上を行っていましたね。
映画本丸での刀剣男士をきちんと演じ分けしていて、刀ステの刀剣男士とは全然別物でした。
キャストの方々が刀剣男士それぞれの個性をしっかり把握してくださっているので、安心して見ていられます。
アクションは刀剣のそれぞれの特徴がきちんと出おり、かつ華やかで、見ていて楽しいです。
欲を言えば引きで全体も見たかったなあ。
安定した演技とスタント無しのアクションは必見です。
ベテランキャストが脇を固めている
信長役の山本さん、秀吉役の八嶋さん、審神者役の堀内さんなどの本格派な方が脇を固めてくれているおかげで、映画がギュッと引き締まっていると感じました。
物語をところどころでしっかり締めてくれ、存在感もありつつ刀剣男士との絡みも見ごたえのあるシーンとなっています。
旦那は廃寺のシーンがお気に入りだそうです。あそこの信長の重厚感が好きだそう。
「宗近、水をもう一杯所望じゃ」が好きなんですって。
信長が宗近って呼ぶの新鮮でいいですよね。
山本さん、切腹の仕方がかっこいいというかうまいです。
秀吉は露天風呂で一気に豹変してびっくりしました。
実は最初から伏線貼ってるんですよね、芸達者です。
審神者はほとんどお声だけでしたが優しそうで、雰囲気が良かったです。
「映画刀剣乱舞」感想
ここからは私が思ったことをゆるっと書いていきます。
- 映画の好きなところ
- 三日月が素晴らしい
- 刀剣男士たち
映画の好きなところ
低予算感は正直、感じなくはないです。
でも要所要所ではしっかり見せ場があるのであまり気になりませんでした。
アクションはすべてキャスト本人であるとか、2.5次元で重要なビジュアルがしっかりあったからかもしれません。
すごく工夫して撮影されたのではないかなと感じました。
冒頭の本能寺の変から出陣の流れがBGMとともに映画への期待感をより盛り立ててくれます。
新解釈である時間遡行時の桜吹雪がとてもきれいで幻想的でした。
こういうのを見るとわくわくしてきます。
あと、これは刀剣乱舞を知らない人に向けては不親切なところもあったかもしれませんが、説明台詞が少ないのがいいなと思います。
「これはこうです」みたいな説明が入りがちな世界観なので、そこは世界観を知ってる人が観ている前提で作って下さったのでよかったです。
見たらわかるような構成にすることで、刀剣男士の会話により自然さが出たのかなと感じました。
また、誰かを守るという普遍的なテーマが軸になっているので、話としては分かりやすいし説得力があるなと思いました。
三日月が素晴らしい
ゲーム刀剣乱舞のサービス開始前にビジュアルを見てからずっと三日月大好き審神者です。
キャラの造形と声が鳥海さんなのがよきです。
なので三日月は刀ミュでも刀ステでも一番好きで、これがきっかけで鈴木さんのファンになりました。
映画の三日月も品があり所作が美しく、刀の付喪神ぶりが素晴らしかったですね。
前半は歴史の裏で暗躍するダークヒーローさながらの裏切りのように見せかけて、後半は戦隊もののリーダーのような活躍。
時折見せる刃物のような鋭いまなざしと冷たい表情が「モノ感」を感じとても美しいです。
また、本丸では青年の姿でありながらとぼけたおじいちゃんを感じるこのギャップがたまらなく好きなのです。
特筆すべきは、信長に仕えるときの武士のような言葉遣いと流れるような低音ボイス。
廃寺でのやり取りは三日月の老獪さがよく出ていて面白いです。
初見でこのシーンが一番気に入り、ここ見たさに劇場通いしたところもあります。
三日月と信長のシーンはどれも好きで、廊下で対峙した時の明暗の使い方と2人の問答は印象的なシーンです。
三日月の人への想いが吐露される重要な場面ですね。
そして、皆を本丸に帰すシーンで三日月が微笑み、そして表情が引き締まるところは一番の見どころではないでしょうか。
さらに、老いた審神者を支え親友のように軽口をたたく時の不安を隠した様子や、帰還し審神者を送る哀愁漂う表情も三日月の好きな一面です。
早朝走ってくるところや、長谷部とのシーンとか、名もなき花のシーンとか、幼き審神者のおんぶとか話せばキリがありません。
とにかく三日月が好きでほぼ全シーン語れます。
刀剣男士たち
クールまんばもいいですね。
骨喰初登場で興味なさそうに目をそらしててクールです。
任務を遂行するために黙って行動するところがかっこいい。
長谷部は長谷部でした(褒め言葉)
あるじ大好き長谷部は健在でした。
長谷部のまっすぐな忠誠心は時に苛立ちや不信感にかわります。とても素直ですよね。
薬研は短刀のお兄さんの立ち位置かな?
しっかりしてて、骨喰を兄さんと呼ぶのが好きです。
みんな大好き川辺のシーンで薬研らしい手当てシーンが見れたのは貴重です。
キーパーソン的役割のひとりですね。
骨喰、めっちゃ可愛くないですか。
これぞ理想の骨喰ですよ。
ちょっと不愛想な感じがゲームと雰囲気が似ていると思います。
髪の毛がサラサラ風に揺れるのがきれいです。
男前日本号です。長谷部との掛け合いが楽しい。
立ち聞きしてたので混ぜる役かと思ったら普通に大人でした。
こっちの不動くんは、ちょっと大人な不動くんです。
静かにふてくされているのもかわいい。
いつも思うんだけど、長いポニテでアクションやると映えますね。
鶯丸は姿勢がよく、イラストのイメージそのものでしたね。
緑のウイッグってどうなのって思ってたけど、意外や意外、なじんでました。
留守居役って響きがなんかかっこいい。
もっと「映画刀剣乱舞」を楽しむ
映画は見る以外にも楽しむ要素がありました。
聖地巡礼もしました
2019年3月に三重県松坂城跡(歴史民俗資料館)と伊勢忍者キングダムの安土城に行ってきました。
近くだったので伊勢神宮も行きました。
(どろろ三重公演を観劇するために遠征したついでに見て回りました)
後で知るのですが、監督や鈴木さんは撮影前日に伊勢神宮に参拝していたんですね。
これは嬉しい偶然。
松坂城跡の歴史民俗資料館ではサイン入り台本や、未掲出っぽい写真も1、2点ありました(資料館の方が撮ったのでしょうか)
松坂城跡は撮影した場所が分かるように立札があり、こんな狭いところで撮影したのかと思うところもありました。
安土城の天守閣はキラキラしてました。
ここを黒い板で隠したんだなあとか映画との違いが分かって面白かったです。
「映画刀剣乱舞」を観るなら
DVD&blu-ray豪華版を買えばメイキングがついていて、キャストの素顔や撮影風景が楽しめます。
キャストによるコメンタリーも面白いですよ。
推しができたならぜひ豪華版をおすすめします。
本編だけならAmazonプライム会員は無料で見られるので是非どうぞ。
初回入会後30日間は無料期間なので、見たいものだけ見て30日以内に退会すれば料金はかかりません。
「映画刀剣乱舞」第2弾にも期待
第2弾の発表はされましたが、詳細は分かっていません。
2021年に公開予定らしいです。
いつも思うけど、刀剣乱舞ってよくできてるなあと思う。
だって日本の歴史だったら時代背景どこでもありでしょ(さすがに縄文時代は無理か)
歴史好きなのでどこでも来い!って構えておきます。
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