桜の森の満開の下 ネタバレ感想 舞台「極上文學第一弾」

極上文學 桜の森の満開の下

2011年11月5日の作品です。
2020年11月に初のBD化となりました。
たった2日間3公演の貴重な映像をありがとうございます!

9年前の記録用映像を再編集したものなので、BDといえど全体的に画質が荒くピントが合っていない部分少しあります。
音楽はよく聞こえますが、セリフは聞こえにくい部分も多いです。

これを見る前に、原作を読んでおくことをおすすめします。
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目次

極上文學 桜の森の満開の下 あらすじ

若干聞き取りにくい部分があるので、原作を頭に入れておくと場面がすぐに分かり、より理解が深まると思います。

1時間程度の演目なのでサクッと気軽に見られます。

原作自体がネタバレです。なので朗読部分以外のところを少し。

唐橋充さんと鈴木拡樹くんの2人による朗読劇で、現代パートと朗読部分があります。

冒頭は教室の場面から。拡樹くんは生徒役(にしては服装も違うし様子が変)で椅子に座ってうたた寝してます。
先生役の唐橋さんが「桜の森の満開の下」を読んでいて、女が桜の木の下に赤子を埋めるシーンから物語の世界に入って行きます。

鼓毒丸(山賊)とツミ夜姫(女)を2人が入れ替わり朗読しながら演じていきます。
中盤から鼓毒丸が唐橋さん、ツミ夜姫が拡樹くんに固定されて話が進んでいきます。

アンサンブルも結構動くので朗読だけの単調なものではなく、お芝居の部分も楽しめます。

ラストはまた教室に戻りますが、拡樹くんが「兄さん」というんですよね、で首を絞められる。
ツミ夜姫のように。
ここで初めて、冒頭の寝ていた拡樹くんは唐橋さんの弟だと分かります。
過去に兄に首を絞められて殺されていたんです。

現代パートで発見された白骨は彼のものなんでしょうね。
時系列がよく分からないけど、冒頭が殺した時でラストが白骨が見つかった時(数年後?)かな。
女が桜の木の下に埋めた赤子の骨と白骨がリンクしてる?

鼓毒丸と兄、ツミ夜姫と弟が立場を変え同じ物語をなぞってるようにも思います。
桜に狂わされたのか、どうなんでしょうか。

白衣をかけられた弟の遺体は消え、桜の花びらが舞い散るばかり。
桜に化かされたような、桜吹雪と共に消えるような、幻想的な舞台でした。

極上文學 桜の森の満開の下 所感

唐橋さんも拡樹くんも若いです。9年前だから当たり前ですね。

演技力や表現力は言わずもがな。素晴らしいです。

拡樹くんの鼓毒丸は若い勢いがあってなかなかよき。
声は今より高めだけどいい声です。

拡樹くんのツミ夜姫が美しいです。
なんというか、妖艶な雰囲気があります。
女性の役を男性が演じることで余計そう感じるのかもしれません。

「うれし」の言い方。挑戦的な色気があって好き。
拡樹くんの持っている清廉な空気も相まって、どこか清らかさを感じるツミ夜姫です。
今の拡樹くんがツミ夜姫を演じてもああいう雰囲気は出せないと思う(それはそれでまたいいものができると思うけど)
当時の拡樹くんの輝きを閉じ込めたような、そんな映像のように感じました。

見せ場のひとつ、首遊びのシーンはツミ夜姫が楽しそうです。
拡樹くんの女性らしいしぐさが堪能できます。
大納言と姫のシーンが好き。

唐橋さんのツミ夜姫は唐橋さんの独特の雰囲気がありますよ。
年上女房のわがままに必死で答える年下鼓毒丸という構図もなかなか面白いです。
鼓毒丸は若い唐橋さんによく合っていて、男らしく精悍な雰囲気です。

年上わがままツミ夜姫が言いたい放題のアドリブコーナーがあります。
唐橋さんの本領発揮です。年下鼓毒丸が遊ばれてます。

鼓毒丸がツミ夜姫を抱きしめるシーンは必見、体格差素晴らしい。

桜の花びらに埋もれていく鼓毒丸が幻想的です。

極上文學 桜の森の満開の下 ひとりごと

最初は鼓毒丸の毛皮とツミ夜姫の着物を交換しながら交互に演じて行きますが、中盤の固定された時から拡樹くんはツミ夜姫のウイッグとメイクをして出てくるんですね。
素で羽織ってるときとちゃんとメイクをしてる時のギャップが好きなんです。

気になったのが拡樹くんの着物のはだけ方。
めっちゃはだけてるときあります。
さりげなく襟を直してたりします。

どろろのアフトでしきりに襟を直しているのを思い出しました。
素に戻ったとたん気にしまくるのが彼らしいなと思います。

9年前の作品ですが、演劇って年月が経っても色あせないなと感じた作品でもあります。
拡樹くんの過去の作品は結構見てるけど、これは特に強く思いました。
純粋な作品の面白さと、20代拡樹くんの全盛期といっても過言ではないビジュアルが素晴らしい。

この3年前から最遊記歌劇伝で共演していたふたりですが、この関係が現在につながるんだなと思うと感慨深いです。

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