「抜丸(ぬけまる)」の由来と来歴をサクッと解説。
調べてもあまり出てこない「抜丸」情報をできるだけまとめました。
▼鍛刀キャンペーンについてはこちら
太刀 抜丸(ぬけまる)
号 | 抜丸 ※もとは「木枯」と号した |
銘 | —– |
種別 | —– |
種類 | 太刀 |
時代 | 平安時代中期 |
刀工 | 伯耆国(ほうきのくに)※鳥取県 大原真守(おおはらさねもり) |
寸法 | —– |
所蔵 | —–(行方不明) |
刀工 大原真守(おおはらさねもり)
- 童子切安綱や鬼丸安綱を作刀した大原安綱が父である
- 鳥取県倉吉市下田中には大原真守の屋敷跡が残っている
- 鳥取県の中〜西部には安綱やその一族の伝承が残り、「大原」という地名も存在する
号と銘の違いは?
抜丸の実物が行方不明なため、
銘や刀のサイズが確認できません
号(ごう)
作者や所有者の名前、由来や形状、逸話などのエピソードに関連してつけられる。
愛称のようなもの。
銘(めい)
作者や所持者、製作期間が入れられている。
ブランドやメーカーのようなもの。
抜丸の来歴
900年以降 | 大原真守により作刀される |
鈴鹿山に暮らす猟師が、伊勢大明神のお告げにより授かる | |
伊勢守だった平忠盛が年貢三千石と引き換えに入手 | |
1153年以前 | 平頼盛(忠盛の五男)が譲り受ける |
1186年以後 | 平頼盛の死後、鎌倉へ渡ったといわれる |
1300年代以降 | 足利将軍家の家宝 |
1432年5月7日 | 御会所(会合用の施設)の塗籠の中に保管していたが、紛失していることが判明 |
同年5月9日 | 京都の質屋にて発見されるが、そののち行方不明に 責任者は流罪になっている ※6代将軍足利義教の治世 |
現在 | 行方不明のまま |
抜丸 名前の由来
みずから鞘から抜けて、大蛇から平忠盛を守ったため
以下のような逸話があります。
逸話
- 六波羅館の池殿(京都市東山区池殿町)にて平忠盛が昼寝をしていたおり、池から大蛇が上って来て忠盛を飲み込もうとした
- 枕のあたりに立て掛けていた木枯(抜丸)が、みずから抜け出て大蛇に切り掛かった
- 蛇は水の中へ逃げると、木枯(抜丸)はもとの鞘に納まった
- 再び蛇が出て来て飲み込もうとしたが、またもや抜け出した木枯(抜丸)が大蛇を追って池のほとりに立った
- 忠盛はこの様子を見て、「抜丸」と名付けた
もとは木枯(こがらし)と呼ばれる
- 鈴鹿山に暮らす猟師が、伊勢神宮から授かる
- 木枯を猟に持って行けば獲物を逃すことはなかったという
- 猟師がこの刀を大木の根元に立てかけておいたところ、翌朝には木が枯れていたことから、「木枯」と名付けられた
抜丸は現存する刀?
室町時代に行方不明になったまま、現在も見つかっておりません。
なので、刀の詳細についても不明なのです。
抜丸と日光との関係は?
日光二荒山神社(栃木県日光市)に「抜丸」という名前の太刀が現存します。
しかし、作刀時期が鎌倉時代であるため、平家に伝来している「抜丸」とは別のものだと思われます。
また、平家の「抜丸」との関係は不明です。
日光二荒山神社|宝刀展|宝刀出品目録の
23番目に記載があります
無銘で総長90㎝、
重要文化財指定となっています
「平家」の抜丸伝承
平家に渡った「抜丸」の歴代所持者
平忠盛(平清盛の父)→頼盛(忠盛の五男)→重盛(清盛の嫡男)→維盛(重盛の嫡男)
◆猟師から年貢三千石と引き換えに「抜丸」を入手した平忠盛ですが、彼はあの有名な平清盛の父でもあります。
◆長男の清盛は、当然自分が譲られると思っていた「抜丸」が五男の平頼盛に渡ったことで不満を持ちます。
(一説には平重盛(清盛の嫡男)に渡ったともいわれています)
これが原因で清盛と頼盛の間には確執があったようです。
◆1159年に起きた平治の乱では、平重盛(清盛の嫡男)は「抜丸」で悪源太義平(源義平)と戦いました。
◆熊野の伝承のよると、1185年の壇ノ浦の合戦においては、平維盛(重盛の嫡男)が所持していたようです。
その後、肥後守平貞能に預けおかれました。
刀剣男士 抜丸(ぬけまる)
平家の刀らしい優雅で品のある言葉使いながら、悟りを開いたような、非情な物言いをする抜丸。
自分を蝶に例え、自分のことですら客観的にみている風があります。
少年の姿と声をしているのに落ち着き払った態度。
平安時代の禿の職業から考えるに納得な気もします。そして強そう。
禿(かむろ)
◆いわゆる「頭に髪がない」or「おかっぱ」なヘアスタイルを指します。
どちらかといえば、江戸時代の遊郭につとめる童女のことを指すことが多いかもです。
◆「平家物語」の「禿」は、平安京の「平家の密偵」として登場します。
子どもや子どもに見える人を「禿」にして町に潜り込ませ、平家の批判や市井(人が多く住んでいる場所)の情報を集めていたようです。
抜丸のビジュアルとリンクしていますね。
六波羅殿の禿といひてしかば、道を過ぐる馬車もよぎてぞとほりける
六波羅殿の禿と言えば、道を行く馬車もよけ、皇居の門ですら自由に出入りできた。
禿が権力行使できる身分にあったことがうかがえます。
揚羽蝶と彼岸花
◆揚羽蝶を家紋にしたのは平家が最初と言われています。
代表的なもので、平清盛が「揚羽蝶紋」を使用していました。
蝶紋は女性的で優美であり、幼虫が美しい成虫になることで縁起が良いものとされました。
◆揚羽蝶が好んで寄ってくる彼岸花。
彼岸花はその名の通り、死や彼岸(あの世)を連想させるような名です。
花言葉も「情熱」「悲しき思い出」「あきらめ」「独立」など割とネガティブ寄りですね。
また、有毒性の物質(リコリン)を含んでいることも名前の由来となっているのではないでしょうか。
祇園精舎の鐘の声・諸行無常
祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり。 沙羅双樹の花の色、盛者必衰の理をあらわす
(この世の全てのものは移ろいやすく常に同じ状態が続くことはない。隆盛を極めても必ず衰える)
「平家物語」の有名な一説です。
平家にあり、栄枯盛衰を見てきた抜丸は何を思ったのでしょうか。
抜丸 入手方法
イベント・キャンペーンでの入手
現在の入手方法は鍛刀キャンペーンのみとなります。
- 鍛刀キャンペーン(各資源700)で入手可能。(初出は2022年8月)
レシピ
鍛刀での出現なし。
ドロップ
ドロップなし。
極にする
まだ極は実装されていません。
実装後に記載します。
▼極についてはこちらの記事を参考にしてみてください。
コメント