新作公演も間近に迫ったPPVV2ですが、今回はどんな感じになるのかとても楽しみですね。
今回はコロナで会社から県外移動禁止が出てしまい、劇場には行けません。
地方民が気楽に行けるのはまだまだ先のようですね。
前作は劇場に入ったら下のツイートの左の画像のように、舞台がプロジェクションマッピングで映されていて、めちゃくちゃテンションが上がったのを覚えています。
公式のあらすじを読むと、分からない言葉があったので調べてみました。
「トロリー・プロブレム」とは何でしょうか?
舞台を見る前に予習しておくとスムーズにストーリーが入ってきそうですね。
前作「中国語の部屋」「哲学的ゾンビ」についてもおさらいしておきます。
本作の感想はこちらから
『舞台 PSYCHO-PASS 』PPVV2 「トロリー・プロブレム」とは?
トロリー・プロブレムとは以下のような倫理学、道徳的な問題のことだそうです。
トロッコ問題(トロッコもんだい、英: trolley problem)あるいはトロリー問題とは、「ある人を助けるために他の人を犠牲にするのは許されるか?」という形で功利主義と義務論の対立を扱った倫理学上の問題・課題。
Wikipediaより
『舞台 PSYCHO-PASS 』PPVV2 トロリー・プロブレムの思考実験
トロリー・プロブレムは次の問題が思考実験として使われています。
トロリー・プロブレムの思考実験
トロッコ(路面電車)が制御不能になり、この先の線路は2つに分かれている。
トロッコの進行方向は5人のほうで、レバーを倒した先の線路には1人いる。
レバーはどちらかにしか切り替えられない。
しかも、とっさの判断でどうするか決めなくてはいけない。
何もしない➡5人が犠牲になり、1人が助かる
レバーを倒す➡5人が助かり、1人が犠牲になる
あなたはこの切り替えレバーを倒すのか?そのまま何もしないのか?
あなたの意思でレバーを切り替えて、人数の多いほうを助けるのか。
何もせずに5人を見捨てるのか。
究極の選択肢のように思えますが、ここで問われている本質は、
誰かを助けるために他の誰かを犠牲にしても許されるのか?
死に至らしめることは正当性があるのか?
ということです。
5人を助けるためならレバーを倒すのは仕方がない、と答える人も多いでしょう。
あなたはレバーを倒し5人を救おうとしただけ。予想はしていたが犠牲が出てしまった。
あなたが死に至らしめた行為には正当性がある(致死の責任に問われない)
この行動をダブルエフェクトと言います。
ダブルエフェクトは、理性よりも感情の影響が大きくなります。
「とっさの感情」を優先し5人を助けるため、1人が犠牲になると予想されるレバーを倒し死に至らしめたことは、罪には問われないわけです。
トロリー・プロブレムの思考実験 2
さらにこの問題は、条件を変えて人間の心がどこで切り替わるかを探るものでもあります。
あなたはトロッコの進行方向に1人の大きい人を見つける。
大きい人を突き飛ばしてトロッコの障害物にすれば、トロッコは止まり5人は助かる。
大きい人は何も気づいておらず、突き飛ばすと必ず成功する。
大きい人を突き飛ばし、犠牲にしてトロッコを止めるか?
結果は同じ(犠牲者は1人)であっても、最初の問題とは心理的に変わったのではないでしょうか?
あなたの直接の行動で1人を犠牲にする。
こうなると、突き飛ばすと答える人は減るでしょう。
これらの思考実験に答えなどはありません。
あくまで心情が切り替わるポイントについて思考するものであり、それは個人差があるからです。
トロリー・プロブレムの思考実験 まとめ
これらのことを簡単にまとめるとこのようになります。
直接的な殺人は、間接的なものより非道徳的である
意図的な殺人は罪になる(非道徳的である)
行動により予想された致死は罪にはならない(ダブルエフェクト)
人間の心理はどのポイントから切り替わり、罪を問うのか。
正解はないですから面白いですよね。
調べていてワクワクしてきました。とてもPPVVらしいのではないでしょうか?
『舞台 PSYCHO-PASS 』PPVV 中国語の部屋
これは前作の劇中の説明にもあったのでサクッといきましょう。
中国語を理解できない人を小部屋に閉じ込めて、マニュアルに従った作業をさせるという内容。チューリング・テストを発展させた思考実験で、意識の問題を考えるのに使われる。
出典:Wikipedia
小部屋にアルファベットしか理解できない人(英国人)を入れておく。
この小部屋には小さい穴が開いており、外部と紙切れのやり取りができる。
小部屋の中の英国人にこの穴から紙切れが入れられる。
紙切れには漢字(中国語)が書かれており、中国語を理解しない英国人は、それが文字か記号かも判別できないものが書かれているだけにしか見えない。
しかし小部屋の中にはマニュアルがあり、この知らない文字列に対してはこれを書く、というふうなルールに従い、何もわからないまま穴から紙切れを出す。
実は中国語で書かれていたのは質問で、英国人はマニュアルを読み、何もわからないまま質問の答えを中国語で返していたのである。
小部屋の外にいる人は、小部屋の中の英国人が中国語を理解していると考える。
実は、小部屋の中には漢字を読めず意味も解らない英国人が、ルールに従い作業しているだけに過ぎない。
しかし、小部屋の外にいる人と会話は成立している。
この実験から分かることをまとめました。
会話は成立しているが、意識的に交流しているわけではないこと。
内容は理解できなくても文章が書けること。
小部屋がコンピューター、マニュアルがプログラム、英国人はCPUという役割になる。
小部屋自体が人工知能か人間かは外からは分からない。
『舞台 PSYCHO-PASS 』PPVV 哲学的ゾンビ
哲学的ゾンビについても劇中で説明されています。
哲学的ゾンビ(英:Philosophical Zombie) とは、デイヴィッド・チャーマーズによって提起された心の哲学における思考実験である。外面的には普通の人間と全く同じように振る舞うが、内面的な経験(現象的意識、クオリア)を全く持っていない人間と定義される。)を全く持っていない人間と定義される。
出典:心の哲学まとめWiki
現象的意識やクオリアとは、主観的な意識や感覚のことです。
簡単に言えば、体験した時の「感じ」を表します。
「映画を見る前のわくわくする感じ」
「海の青い色のような感じ」
このような「感じ」をクオリアといいます。
クオリアを持たないのが哲学的ゾンビです。
自分で自分の意識(自己意識)があるのは分かりますが、意識という概念を目で見たり共有できない以上、自己意識を他人に証明することはできません。
例えば、隣に座っている人が自己意識を持っているかはどうかは分からない、ということです。
クオリアを持つ人間と持たない人間と哲学的ゾンビの違いは、見た目には分からないわけです。
この3つの話はどれも難しい話だと思います。
明確な答えはないし、意識・思考のような見えないものを証明することはほぼ無理でしょう。
私もここまで理解するのが精一杯でした。
PPVVで理解する部分はもっとざっくりとで大丈夫だと思います。
『舞台 PSYCHO-PASS サイコパス Virtue and Vice 2 』主題歌決定!
今回も凛として時雨さんが新曲を書き下ろしてくださったそうで、感無量です!
サイコパスの世界観と時雨さんの曲が合いすぎててかっこいいんですよね。
オープニングに使われるのかな?楽しみがまた増えましたね!
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