五月雨江の由来と来歴 刀剣男士の姿は芭蕉の句から? 刀剣乱舞

12月に実装された刀剣男士、五月雨江(さみだれごう)についてサクッと解説。

句を詠んでいる刀のそのこころは?

もくじ

刀剣男士 五月雨江(さみだれごう)

五月雨江(さみだれごう)、五月雨郷(さみだれごう)
無銘(伝義弘)
指定重要文化財
種類打刀
時代南北朝時代
刀工郷義弘 越中(富山県)
刃長71.8㎝
所蔵徳川美術館

行雲(ゆくくも)や犬のかけ尿(かけばり)村時雨(むらしぐれ)

雲が早く流れて、時雨が降ったり止んだり、まるで犬があちこちにおしっこをかけているようだ。

季語:村時雨(さっと降りさっと過ぎ去るしぐれ)

1677年、芭蕉34歳の作。

時雨を犬のおしっこに例えたリズムの良い句です。

五月雨江は村雨丸のモデル?

江戸時代の小説家、滝沢馬琴作「南総里見八犬伝」に登場する「村雨丸」のモデルといわれています。

女装で育てられた八犬士の一人、犬塚信乃が持つ刀(この小説の中では足利家の宝刀である)のことですね。

抜けば水気(すいき)ほとばしり、血を洗い流すという逸話のある刀です。

五月雨江 名前の由来

以下のような由来があります。

  • 五月雨の季節に郷義弘が打った刀だと決められたから
  • 刃文が霧がかっていて美しい刀だから
  • 刃文が曇って見えるから(書家、本阿彌光悦の孫がさびないように油を塗りこみすぎたためとも言われている)

五月雨江 来歴

もとは名もなく由来も不明だったところを、本阿弥家によって郷義弘の作であるとされた。

福岡藩の黒田長政(黒田官兵衛の子)が入手。

1623年

長政の逝去により、徳川2代将軍、徳川秀忠に献上される。
秀忠が「五月雨とはうまく名付けたものだ」と言った話が残っている。

1629年

加賀藩主(石川県)の「前田光高」が元服した際に、秀忠より下賜される。

1633年

徳川3代将軍、徳川家光の養女の「大姫」が前田光高に嫁いだ際に、再び光高から家光に献上され再び徳川家のものとなる。

なおこのとき、将軍家より信濃藤四郎などの刀が光高に下賜されている。

1639年

尾張徳川家2代藩(愛知県)の「徳川光友」と3代将軍家光の娘「千代姫」が結納した際に、家光から光友に下賜される。この時、後藤藤四郎も同様に下賜されている。

1677年

光友が嫡男の綱誠へ婚礼の際に譲り渡す。

1699年

綱誠が死去した後、子の吉通が徳川綱吉へ献上する。

その後も徳川家に伝来。

近代になり、徳川家正公爵から尾張徳川家伝来の家宝を展示する徳川美術館へ寄贈され保管される。

五月雨江について

イベント終了の前日に、やっと本丸へお越しくださいました(ぎりぎり間に合いました)

顕現セリフを聞いたところ、気になることが。

前の主あの方。

前の主に対しての義理は、犬耳のことを指していると思われます。

犬耳と言えば…生類憐れみの令を出した、徳川綱吉ですね。

あの方とは、「詠んでくれた」ということから松尾芭蕉と推測します。

五月雨江の言う通り、犬耳が綱吉との関係を表してるのでしょう。

個人的には、刀剣男士の姿やセリフは芭蕉の句が由来になっているのかなと思います。

早速近侍にしてつついていると、何やら句を詠んでいる様子。

気になったので、句を調べてみました。

「おけのわきるるよるのこえ」 五月雨や桶の輪切るる夜の声

五月雨の夜、雨で一杯になった桶の輪が切れる音がした。

もの寂しい雰囲気が出ている、静寂を詠った句です。

桶の輪(桶に巻き付けている部分)

「におのうきすをみにいかん」 五月雨に鳰(にお)の浮巣を見にゆかん

五月雨の季節だ、琵琶湖では今頃鳰が巣を作っていることだろう、見に行こうか。

鳰はカイツブリのことで、見に行こうとしている場所は鳰が多く生息している琵琶湖です。

カイツブリ

「たきふりうずむみかさかな」 五月雨は滝降り埋むみかさ哉

五月雨が激しく降り続いて、滝を埋めるほどに水かさが増していることであろう。

石河の滝のことを詠んだ句です。

出典:石河の滝

はなのうえなるつきよかな しばらくは花の上なる月夜かな

満開の桜の上に月が上った。月の下で花見ができそうだ。

夜空に浮かぶ月と、桜の花が咲き乱れる様子を表した句。

と同時に、すぐ散る桜(月は形を変える)のはかなさを詠った句でもあります。

月と桜

りゅうとうあぐるばんたろう 五月雨や龍燈あぐる番太郎

龍燈:不知火、海で発生するといわれる怪火。

番太郎:夜回り当番。夜間警備員のようなもの?

五月雨が降る夜は、まるで町が海中のようだ。番太郎の持つ明かりが龍燈のように見えるという句。

怪火

この前、冬の陣の記事でさんざん書いた徳川秀忠も出てきて、おお?となりました。

歴史ってあちこちがつながっていて、調べれば調べるほどその絡まりに気づきます。

私は南総八犬伝が大好きなので、ロマンがありすぎる!と感激しました。

実在の刀をモデルに小説を書くなんて、現代とやっていることは変わらなくて日本人って面白い、と感じました。

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