2021年1月に実装された刀剣男士、泛塵(はんじん)についてサクッと解説。
また大千鳥十文字槍と日向正宗との関係とは?
真田信繁の刀としてあった彼がたどり着いた心境とは?
脇差 泛塵(はんじん)
号 | 泛塵(はんじん) |
銘 | 無銘 金象嵌銘「泛塵 真田左衛門帯之」 |
指定 | ー |
種類 | 脇差 |
時代 | 室町時代 |
刀工 | 越中(富山)の刀工、宇多国次の作 |
刃長 | ー |
所蔵 | ー |
泛塵は「中古刀 中上作」
●「中古刀」は作刀された時代を表します。
「古刀」「中古刀」「末古刀」「新刀」「新々刀」の5段階。
「中古刀」は元応~長禄年間、1319-1461年作ということになります。
●「中上作」は刀工の位列を表し、順番は「最上作」「上々作」「上作」「中上作」「中作」の5段階。
泛塵は上から4番目に位置します。
金象嵌銘(きんぞうがんめい)とは?
無銘の刀に金象嵌(彫刻したものに金を埋め込む技法)で刀工名を入れることです。
泛塵は無銘ながら「泛塵 真田左衛門帯之」という金象嵌があります。
真田信繁が帯刀していたということですね。
後世に堀川国広が磨り上げたことも入っています。
泛塵(はんじん) 名前の由来
泛はうかぶ、ただよう、などの意味があります。
塵はチリのことですね。
泛塵は浮塵(ふじん)と同じ、人の命のはかなさを、空中に漂うチリと重ね合わせた心境を表しています。
浮塵とは
浮塵子(ふじんし)は、ユスリカという昆虫の別名です。
ユスリカは蚊に似ている昆虫ですが、血を吸うことはありません。
口が退化していてエサを食べられず、わずか数日のはかない命という不思議な昆虫です。
泛塵(はんじん)の来歴 大千鳥十文字槍・日向正宗との関係
大千鳥十文字槍との関係
泛塵は真田信繁の脇差として、大坂夏の陣まで共にありました。
大千鳥十文字槍も真田信繁の愛槍だったので、いつも一緒にいた可能性が高いですよね。
大坂夏の陣で信繁の死後、大千鳥十文字槍(穂先が現存?)とは別の道をたどることに。
その後の来歴については定かではなく、紀州の高野山から売りに出され、幕末には紀州藩士の野呂某が所蔵していたそうです。
そして幕末以降、消息不明となっています。
真田信繁の愛槍、大千鳥十文字槍について読む↓
日向正宗との関係
上記の図のように、日向正宗と泛塵の持ち主たちは、同じ豊臣秀吉の家臣かつ親戚にあたります。
この縁で、この2振りの回想があるのだと思います。
また、泛塵と日向正宗の回想は上田城(青野原の記憶)で起こっています。
上田城(1583年~1601年)
1583年に徳川家康の命により、真田昌幸が築城。
真田の居城であり、上田合戦において徳川軍を2度撃退しています。
1600年の関ケ原の戦いで西軍が破れ、真田昌幸は息子の信繁と共に九度山に幽閉。
1601年に上田城は破壊されてしまいます。
日向「僕には今、目の前の戦場しか見えていない」
「目の前の戦場」とは?
上田合戦?
上田城で起きた2回の合戦のどちらにも石田三成は参戦していません。
さらに真田軍が勝っていることから、セリフ(「苦しみ」等)と合わないなと感じます。
関ヶ原の戦い?
1600年の関ヶ原の戦いにおいて、「日向正宗」は石田三成の妹婿である福原長堯、もしくは水野勝成が所持していると推測します。
「日向正宗を所持する石田三成と関ヶ原の戦い」は存在しません。
しかし、青野原は関が原のことを指しますので、やはり関ヶ原の戦いのことを言っていると思われます。
関ヶ原の戦いで敗北した元主(石田三成)のことに思いを馳せているのでしょうか。
泛塵「僕を助けてはくれないのか」
信繁が負けたこと、信繁の手を離れたこと、売りに出されたこと。
考えられるのはこれらでしょうか。
解釈が難しいです。
日向「君の苦しみをどうにかできるのは、君しかいない」
「苦しみ」は主の手を離れた(もしくは主を亡くした)ことだと思います。
泛塵の苦しみは、他にもいろいろあるのかもしれません。
その後、日向正宗は紀州徳川家の所持になりますが、泛塵は高野山に紛れてしまうからです。
刀剣男士 泛塵
名前の由来のとおり、パッと見は無気力系男子に見えますし、悟ったようなセリフも多い。
しかし真田信繁の刀らしく、戦うのが使命だと思っているようなところもちらほらと。
上記画像の山とは、高野山(九度山)のことかな。
真田信繁の亡きあと、高野山に置かれたことを言ってるのかもですね。
信繁を慕うようなそぶりもあり、かわいいなと感じました。
自分のことを含め、すべてが塵だと思っている無常感も泛塵の魅力だと思います。
ゴミも悪い意味ではなくて、「はかなきもの」という意味で使ってる気もしますが、どうでしょうか。
元気に帰ってきた遠征組を見て、ゴミと言う近侍の泛塵がおもしろすぎる。
泛塵「ゴミが帰ってきたよ」
小竜景光「帰ったよー、俺のこと、心配してたかな?」
最初聞いた時「ん?」ってなった(笑)
組み合わせで面白さ無限大かもしれない。
泛塵のセリフ「たまゆら」とは?
たまゆらは「玉響」とも表記し、ほんのわずかな間、一瞬のことを指します。
また「かすか」なという意味でも使われます。
大千鳥十文字槍とおそろいのような衣装だったので、内番に入れてみたらこっちもおそろいでした。
管理人は「祗園精舎の鐘の声」から始まる平家物語の冒頭を思い出しました。
「ひとえに風の前の塵に同じ」ってやつですね。
この世のものは絶えず変化し、栄華を誇っても永くは続かず、結局滅びていくさまは風に吹かれる塵と同じだ。
う~ん、調べれば調べるほど面白いし深いです。
泛塵の鍛刀について
資材は各500。鍛刀時間は40分。札なし。近侍は大千鳥十文字槍。
久しぶりの鍛刀でしたね。
資源はたくさん準備しているものの、いつ出るか分からないのでいつも不安な鍛刀。
最初は鍛刀時間を気にせず回していたのですが、途中でふと脇差だから40分ぐらいじゃね?と気づき、
「資材500で40分って出にくいだろー」と思いつつ回してたら419回目にようやくお目見え。
レア刀剣男士がもりもり出て習合がはかどりました。
数珠丸、明石、亀甲、小狐丸、鶯丸、鶴丸、江雪、源氏兄弟、一期一振、小竜景光、千子村正など。
その後デイリーで回していたら2振り目が。
あっけないほど簡単に出ましたが最初はほんとに出にくいうちの本丸。
さくっと出たのは誰か忘れたけど1度ぐらいだと思う。
コメント